エッグチェア

代表作とも言える「エッグチェア」は、コペンハーゲンにあるロイヤルホテルの設計に際し、1958年にデザインされました。当時の北欧家具デザイナーの枠組みにとらわれない柔軟な感性が、このようなユニークな椅子を作りだしたのでしょう。発砲ウレタンを加工した画期的な手法と独特のフォルムが特徴です。ホテルのロビーというと、いろいろな人が行き交い、人が集まる場所ですよね。 アルネ・ヤコブセンにデザインされたアントや、セブンといったプライウッド製チェア、さらにはミッドセンチュリーの定番として有名なエッグチェアや、スワンチェアなどの名作といわれる椅子の数々は、すべてこのフリッツ・ハンセン社の製品となります。ホテルのロビーの椅子として製作されたのです。曲げ木を得意とし、木材が描く優雅でしかもシャープな曲線が斬新で、当時の人々を魅了しました。 素材も形状も体にフィットするように考えられており、 カラダをすっぽり包み込む、卵を思わせるその形からエッグと名付けられたユニークな椅子です。座ると包まれる安心感を与えてくれます。フリッツ・ハンセンが北欧家具のデザイン性の高さを国際的な評価として定着させたといっても過言ではありません。 現代の若いアーティストが作ったといっても、納得してしまうような斬新なデザインのこのチェアが、50年以上も昔に考えられていたかと思うと感心してしまいます。しかし、このエッグチェアのフォルムは、ホテルのロビーという公共空間において左右を囲まれたプライバシーな空間を生み、まるで自分の部屋にいるようなリラックスしたひと時を演出する優れたデザインとなっています。1872年にデンマークで創業された、北欧を代表するブランドです。